春宵100話

  • 昔語りと ちょっと未来
  • 外国から馴染みの研究者が関与した論文のメイル報告などが届くと、昔の色々なことが映像となって思い出されます。大先輩の教授から送っていただいた回顧録などの小冊子などにも、人生の小話が詰まっていました。参考になるかもしれない(ならないかもしれない)記事やエピソードを紹介。
  • 50才頃から、Project の一環として、有名な科学者の研究室を訪問して、1週間は滞在して、セミナーをして+議論して+色々だべるのが、人生で一番楽しい経験だった。僕のセミナーは聴衆の集まりは良く気分よく講演できた。
  • Jan-Ake Gustafsson’s Lab. at Krolinska Institute, Sweden(ノーベル医学生理学賞選定委員会の委員長だった。同僚のProf. Margaret Warnerとはセミナーの時に海馬ERa染色の問題で大喧嘩になった→昼食後に仲直りした );
  • Lab. of McEwen & Morrison at Rockfeller Univ. & Mt. Sainai Univ. in New York(何回も訪問して、共同研究を行った。McEwenに世話になったStress分野の日本人研究者は数限りないらしい。Morrisonは更年期での海馬estrogen補充の研究で有名。現在 President of SFN, Society for Neuroscience);
  • Prof. Baulieu’s Lab. in Paris(Neurosteroidという名前を付けた大先生、実は名前の付け方はちょいといい加減だった。セミナー後パリの有名な百年レストランに向かうとき、運転しながら秘書に電話をかけて、両手のハンドル離しながら興奮して話してたので、助手席で怖かった。中国の一人っ子政策を彼が発明した中絶薬で支えた人。I am an Emperor in China と中国では評判だと言っていた)。後継ぎの Prof. Schumacher とは楽しく話し込んだ。;
  • Chambon’s Lab. in Strusburg, France(分子生物学の創始者、Monoclonal antibody is not monoclonal !という重要な意見が一致して、楽しかった。頭が良い。長年にわたり所長を務める研究所は巨大で300人以上の研究者がいた?!);
  • Leranth’s Lab. at Yale Univ.(ハンガリー人は米国で生きてゆくのは大変だと愚痴をこぼしていた。ダジャレを沢山言うおじさん。Yale Univ. でのMcEvenのセミナーの時に、McEvenの girl friend 学生を内緒で指さして教えてくれて、びっくり。大丈夫か?);
  • Rune’s Lab. at Univ. Humburg(海馬での女性ホルモンE2の合成を、川戸研とほぼ同時に発見した人。 良いセミナーを主催してくれた。いかにもドイツ女性、真面目で賢い。後日には、海馬で♀が E2を♂が DHTを主に合成すると主張しているので、僕と意見が対立。川戸研の方が正しいはず、♂♀両方で、E2も男性ホルモンも合成するわい。);
  • Columbia Univ. Prof. of Chemistry 中西 香爾(宇多田ヒカルが入学したときで、入学式後の日曜日にキャンパスを見に行って、化学教室ビルのドアが開いているので、こっそり入って、中西研の研究ポスターの内容を妻に説明していたら、奥の部屋から中西先生が出て来て、びっくり);
  • Texus Univ. Prof. Peter Thomas(細胞の膜上の男性・女性ホルモン受容体の研究者、魚類を研究。メキシコ湾からhurricaneが直撃すると海岸の研究所にある魚の養殖プールが打撃をうけるので、一斉に内陸に魚と避難するのだけど、これが一番大変だと言っていた);
  • Perugia Univ. Prof. Pettorossi, Tozzi , Italy (海馬での早い男性・女性ホルモンの合成を電気生理で発見, アッシジのフランチェスコ聖堂に連れて行ってくれて、ルネッサンスの初期の画家を熱弁していた。Perugia はサッカーの中田英寿がいたところ。);
  • Heiderberg Univ. Prof. Welhling(細胞膜上の女性ホルモン受容体の研究Project, 全くの新しい受容体はなさそうだ、と知らせてくれた); …………そうそう、米国の貿易センタービルに飛行機突入の週にEurope に居たので、大学や町での反応が生々しかった。僕の前にHeiderberg Univ. にセミナーに来た米国人教授(女性)は、この事件の話をしている途中で泣き出してとまらず、セミナーは中止になったと聞いた。 
  •  ←それにしても、日本は離れた島国で、外国の教授が気軽に寄ってくれる頻度は少ないので、コロナ問題中に急速に普及した Zoom 講演をもっと利用した方が良い。
  • 若いときに、大学院を出てから過ごした チューリッヒ工科大(ETH -Zurich, Dep. of Biochemistry), with my wonderful experience in Switzerland。Cherry’s Lab の助手として、楽しく生物物理と、生化学の研究生活を送った。毎年 生化学の大学院生と組んで、mitochondria, microsome 中の cytochrome oxidase, cytochrome P450の運動と電子伝達相互作用を測定していた 。声の大きな Prof. Carafoli [拡声器を反対にしたものをクリスマスにプレゼントされていた], Prof. Winterhalter, Dr. Richiter 講師(overassitent)も懐かしい。生化学科のビルの窓から周りのビルの屋上でのんびり日光浴をしているお姉さんを双眼鏡で見るのが趣味だった講師もなつかしい、彼は宇宙生化学の有名人だった。イタリア人).
  • 人生はスリル満点Rerise News 2020