[産学連携講座・JT] 認知神経科学プロジェクト
<目的>ニコチン性アセチルコリン受容体をうまく使って、テストステロン(T)を増やし、 認知機能を改善すること。また老化や前立腺がん治療などによりTが減少する、 ことなどで引き起こされる、認知機能変化を見出し、認知機能の低下を治す仕組みを見出す。
2023特許「テストステロン増加剤・ヒトとラット」

科学技術振興機構 日本・台湾 国際共同研究
「バイオエレクトロニクス: 新規な多電極を用いた海馬の神経回路に対する神経ステロイドの作用の解析」 2012〜

科学技術振興機構・バイオインフォマティクス推進事業
「脳スライス中で可視化した神経シナプスの自動解析」 2006〜

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>>[Spiso3D 操作マニュアル],[Full Spiso-3D], 「Spisoよく起こる問題と解決法」, 「Java32bitを使用せよ→Spiso と ImageJ」

神経シナプス自動解析ソフト spiso-3D の稼動する様子を映像で示す
>>[2018 MOVIE MediaPlayer], [2010 MOVIE MediaPlayer]
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大脳スライス中の単一神経細胞の樹状突起に存在する個々の(記憶を蓄える)スパ イン(シナプス後部)を、蛍光色素を注入して可視化すると、ホルモンや薬物の作用 を受けて、1時間程度で急性的に数や形態が変動する様子が高感度で観察できる。こ のスパインの増加・減少や変形を自動的に解析できるソフトウェアを世界で初めて開 発する。 我々は、近年の研究において、スパインが、1)ストレスホルモンで肥大 化する、2)脳内で合成される女性ホルモン(神経成長因子)やアクチビン(性ホル モン)で新生する、3)環境ホルモンでも新生する、3)これらのスパイン変化は MAP kinase 系を介した経路で駆動されている、などの新しい現象を発見した。これら は1時間程度の短時間で応答が起こることは予期されなかったことであった。これら の研究を進める上で大きな難点があるがそれは、顕微神経可視化解析では現在のとこ ろ、熟練研究者の目で1個1個確認する手作業であり、単一神経細胞に関しても、完 了するまでに数日はかかることである。この難点を、自動・高速解析法の開発を行う ことで解決しなければならないと決意した。神経樹状突起の分岐、スパイン位置、及 び複雑なスパイン形態を特定し、3次元の共焦点顕微画像から自動的に高速解析でき る、新規なアルゴリズムを持つ画期的なソフトウエアを開発する。

これにより、コルチコステロイド増加によるストレス起因うつ病や、コルチコステ ロイド増加による急性ストレス起因のパニック的記憶障害や、性ホルモン低下による 更年期型うつ病、またAlzheimer病の女性ホルモン補充療法による改善法、環境ホルモ ンの記憶学習に対する作用、などの現代社会で緊急の課題に対し、その原因を解明 し、その治療薬の作用の新型解析法を提供することが出来る。また、この解析法は、 患者やサルの神経疾患の変異シナプスの自動診断、脳のDevelopment 解析や、遺伝子 改変マウスの神経配線の変化などにも適用できる。更に将来、本ソフトウェアを備え た、タイムラプスで共焦点画像追跡中に3次元形態変化を実時間解析・表示できる装 置を開発し、同一のスパインの時系列変化を追跡できる技法を編み出すことも視野に 入れている。


成果記事[PDF]と事後評価[PDF] 追跡評価2014[PDF] 
バイオインフォマティクスセンタ推進センタ広報 http://www.jst.go.jp/nbdc/bird/kenkyu/souzou/h17shinki/h17shinki-05.html

川戸チームがCREST「内分泌かく乱物質領域」追跡調査の第一位
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戦略基礎CRESTプロジェクト 「脳ニューロステロイド」 2000〜

我々の脳は、環境によって形作られる「環境脳」である。もちろん脳は発生時には、遺伝子に よって基本型が作られるわけだが、神経シナプスの数が遺伝子の数より多いことからわかるように、 環境からの入力(コミュニケーション・教育・生態系・ストレス)によって、日々神経回路は 変化している。また現代社会では、脳神経の発達は多くの化学物質にさらされて、本来の発達とは 異なる様相を呈していると思われる。近年社会的に話題になっている環境ホルモンは、この 環境撹乱入力のひとつである。しかし、脳神経にどのような影響を及ぼすかは、全くといって よいほどわかっていない。本研究は、環境ホルモンが擬似女性ホルモンであることから、 脳の女性ホルモン合成経路と作用経路に影響を与えることで、記憶学習・精神を撹乱する、 と仮定して、これを解明することを目的としている。
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文科省・科学技術振興調整費・産学官連携プロジェクト
「環境ホルモン記憶学習撹乱のテーラーメード多電極計測」 2003〜

テーラーメード多電極解析法を開発し、環境ホルモンの記憶学習撹乱を解析する革新的な 計測法を確立するのが本プロジェクトの目標である。 我々は、環境ホルモン(擬似女性ホルモン)が哺乳類の海馬で記憶学習に急性的にはっきり した撹乱を与えることを発見し、その分子メカニズムの解析に多大な実績を挙げている。 本共同研究では、脳スライスの神経配列に個別に対応した多電極配列をフォトリソグラフィー 技術で作成することにより、動物種や脳の部位に個別に対応したテーラーメード多電極 解析法を開発して、微弱な環境ホルモンの影響を記憶学習(長期増強)計測で検出する 革新的な世界標準法を確立することを目的とする。それを用いて、ビスフェノールA・ DES・ダイオキシンを始めとして70種以上に及ぶ環境ホルモンの脳記憶学習への撹乱を スクリーニングする。
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